動力,エネルギーの違いと,エネルギーの計算方法

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 エネルギーは,どんな機械にも適用できるので,とても便利な単位です.
エネルギーの国際公認単位(SI単位)はただ一つ,J(ジュール)です.

 エネルギーの単位を W(ワット)と思っていた人は惜しいです.
W は動力の単位です.動力は「単位時間当たりのエネルギー」のことです.

 エネルギと動力は,よくゴッチャにされるので,下の表にまとめます.
ゴッチャだった人は良く覚えてください.

名称 動力 エネルギー
他の名称 仕事率,出力 仕事
英語 Power Energy
SI単位 W J
他の単位 PS(馬力) Wh(ワットアワー)
cal(カロリー)
換算式 1PS = 735.5W 1Wh = 3600J
1cal = 4.187J

 エネルギーを仕事とも言います.このことからも分かるように,
エネルギーは,実際に機械がどれだけ役に立つことをしたか,
という指標になります.

 ここで言う仕事とは,普通の会話であるような

「彼は仕事がはやい.」

という漠然とした概念のことではなく,

「このバッテリーには1.3MJのエネルギー(仕事)が蓄えられている.」

と言うような,簡単に評価できる値(定量的な値)のことです.
もちろん人間の仕事は,定量的に評価できません.

 次に,「機械エネルギー」と「電気エネルギー」を計算する方法を示します.

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機械エネルギー

 機械エネルギー E [J] は,力の大きさを F [N],その力により
機械が動いた距離を S [m] とすると,以下の式で計算できます.

Mechanical energy

Energy consumption macine

ただ,この式は力 F が機械が動いている間も一定の場合 (F = const.) です.
機械がある場所(位置) x によって力 F が変化する場合(力 F が位置 x の
関数 F(x) の場合),距離 S 動いた後のエネルギー E は以下の式で計算します.
Mechanical energy (General)

 回転する機械の場合は,力 F よりもトルク To [N m] の方が便利です.
その場合は回転数を ω [rad/s] とすれば,エネルギー E は
以下の式で計算できます.

Mechanical energy with rotating machine

Rotating energy consumption machine

例えば,出力トルクが 6 Nm ,回転数が 600 rpm のモーターが
1時間(3600秒)の間に消費するエネルギーは以下のように計算できます.

Calculation example of Motor mechanical energy consumption

motor mechanical energy

以上の式も,トルク To と回転数 ω が時間によらず一定の場合(To = const.
ω = const.)です.トルクと回転数がそれぞれ時間 t の関数 To(t),ω (t)
の場合,時間 T [s] 経過後のエネルギー E は以下の式で計算します.

Mechanical energy with rotating machine (General)

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電気エネルギー

 電気エネルギー E [J] は,電圧を V [V] ,電流を I [A] ,その電気が
流れていた時間を T [s] とすれば,以下の式から計算できます.

Electric energy

例えば,モーター端子の電圧が100V ,モーターに流れ込む電流が16A の場合,
1時間(3600秒)の間にモーターが消費したエネルギーは次のように計算できます.

Calculation example of Motor electric energy consumption

motor mechanical energy

以上の式も,電圧と電流が一定(V = const. , I = const.)の場合です.
電圧と電流がそれぞれ時間 t の関数(V(t),I(t))の場合,時間 T [s]
の間の電気エネルギーは以下の式で計算できます.

Electric energy (General)

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 以上のようにエネルギーが計算できてしまえば,動力 P [W] の計算は
簡単です.逆に動力(仕事率)は分かってるけどエネルギーが分からない
場合も計算は簡単です.

なぜなら,動力 P [W] とエネルギー E [J] には次のような関係があるからです.

relationship between Energy and Power

実際には,動力やエネルギーがどういう形の時間の関数か分からない場合
が多いので,十分細かい時間間隔ごとのデータを用いて,数値積分や
差分近似により実際のエネルギーや動力を求める場合が多いでしょう.

また電気の場合,P = VI ,機械の場合,速度を v [m/s]
とすれば,P = Fv という関係があるのを覚えておくと便利です.

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簡単なシミュレーション

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