投稿記事


平成19年11月25日  土地利用のあしき前例に    琉球新報
平成20年2月4   筋が通らぬ市有地売却       沖縄タイムス
平成20年3月1日  地域再生計画取り消しを      琉球新報
平成20年3月31日  許せぬ市有地の安売り    沖縄タイムス
平成20年4月19日  不当な手続きの真相究明を   琉球新報
平成20年5月4日  不可解な市有地売却      沖縄タイムス
平成20年5月9日  一方的な市広報紙に反論     琉球新報
平成20年5月20日  破綻した地域再生計画    沖縄タイムス
平成20年6月5日  那覇市は住民に向き合え     琉球新報
平成20年6月11日 市有地の売却は不当      沖縄タイムス
平成20年6月20日    民間供用の十分な説明を    琉球新報
平成20年7月18日  公有地安売りは不可解    沖縄タイムス
平成20年8月4日 おもろまち市有地売却訴訟の趣旨 琉球新報
平成20年9月24日   協議項目の制限は不当   沖縄タイムス
平成20年10月2日    疑問多い交通調査データ   琉球新報




平成19年11月25日 琉球新報掲載

  土地利用のあしき前例に
   −都市計画変更の不当性−

 「画竜点睛」という故事成語があります。物事を完璧なものにするための最後の仕上げという意味で、那覇新都心は今まさにその段階にあります。その新都心の元市役所候補地において、超高層マンション群建設計画が具体化しています。近隣住民は景観の悪化や交通渋滞、ビル風や日照不足など様々な問題点を指摘し計画の見直しを訴えましたが、説明会は一方的に打ち切られてしまいました。そしてその計画を実行するため今、当該地区の都市計画が変更されようとしています。これはどういうことかというと、那覇市と民間業者が提案する事業計画が実は現行の都市計画の規制に違反するため、これまで住民や事業者が遵守してきた都市計画を変更して、無秩序な事業を合法化しようというのです。

 この土地は市役所候補地として先行取得された貴重な市民財産です。市役所が無理ならその他の公益施設を考えなければならないし、やむなく売却するにしても、せめて景観や周辺の住環境を悪化させないよう厳しい条件をつけて無秩序な事業を牽制することが市としてやるべきことです。しかし、実際は業者の提案を易々と受け入れ、反発する住民を抑制し、まちづくりの憲法ともいうべき都市計画までも変更して、お膳立てしようとしているのです。

 近隣住民は公聴会で用途地域変更の不合理性を訴え、公告縦覧に際しては実に25件の反対意見書が提出されました。都市計画審議会では、ほとんどの委員が手順の不適切さを指摘し、慎重審議を求める声もありましたが結局、変更案は全く修正されることなく可決されてしまいました。市民の声を反映するための公告縦覧や公聴会そして審議会が有名無実化しています。

 この事業計画が実行されると、世界遺産である首里城からの景観が大きく損なわれます。それは景観行政団体への移行を表明している那覇市や観光立県を掲げる沖縄県にとって大きなマイナスです。また公共公益施設用地を住民の同意なしに、都市計画を変更してまで転売するというやり方は今後の県内各地の軍用地跡地利用にとって悪しき前例となるのではないかと危惧されます。

 私達はその事業計画の見直しを要求していますが、行政に敵対するのではなく、むしろ那覇市が提唱する“計画段階から市民が参加し、行政と一体となって進める「協働型まちづくり」”をぜひ実践したいのです。

 私は、沖縄戦最大の激戦地であったこの土地が平和を発信する場所であって欲しいと願っています。新都心に痛ましい過去があり、その犠牲の上に今の平和と繁栄があるということを心に刻み続けるために、ここに平和祈念施設と行政施設の複合体ができればすばらしいことです。ほかにも公民館や福祉施設など、市民がこの土地の使い道について自由に夢を語ることができれば、その中から思いがけない妙案が生まれるかもしれません。

 私達市民の手で、人々をやさしく見守り、将来を見据える、立派な“新都心の瞳”を描きたいものです。

「おもろまち1丁目住環境を考える会」知念徹治

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平成20年2月4日 沖縄タイムス掲載

  筋が通らぬ市有地売却
   −住民監査請求−

 「おもろまち一丁目1番1」という新しい那覇市の中枢となることを運命づけられていた土地が、超高層マンション群建設のために売却されました。
私達は、近隣への重大な環境被害、沖縄観光に影響を与える景観悪化、公共公益用地の土地利用のあり方という点で大きな問題があると主張し、住民の同意が得られるまで、市役所予定地の売却を待ってほしいと訴えてきました。 周辺住民は、利便性に加え、安心、安全な暮らしをしたいと思い、この地に住むことを決めたのであり、決して超高層ビルの真下で子育てをしたいと思っていたわけではないので、これまでの事業計画とそれに合わせた都市計画変更の進め方にたいへん不満でした。 それでも財政難という理由に一定の理解を示し、事業計画が近隣の生活を脅かさないように修正され、それが公共の利益となるのであれば、闇雲に土地売却に反対をせず建設的な対話を進め、市の掲げる“協働のまちづくり”の市民としての責任を果たしたいという姿勢をとってきました。 しかし大きな不安を抱え切実な思いを訴える住民を直視せず、着々と売却の準備だけを進める市の対応に失望しています。企業の採算性ばかりに気を使い、市民の声には全く耳を傾けない市との対話では“協働のまちづくり”を実現できないと実感し、不本意ながら住民監査請求を行いました。 その趣旨は「当該土地において、違法不当な目的で公用地の用途変更がなされ、市場価格を大幅に下回る不公正価格で売却処分がなされたため、当該土地の用途地域変更と売却処分を取り消すことを請求する」というものです。 不公正価格であるという根拠は、近接する日本銀行那覇支店の土地が1平米当たり54万円で売却されたのに対し、当該土地はわずか32万円足らずで売却されたということで、2万2千平米あまりの貴重な市有地が約50億円も安く売却されたという計算になります。 このようなことが起こった原因は、当該土地を第2種住居地域、容積率200%で土地鑑定を行い最低売却価格を設定したにもかかわらず、「用途地域にとらわれず」として事業提案を募集し、容積率400%の提案を採用、それに合わせる目的で、住民の圧倒的な反対を無視して用途地域を近隣商業地域に変更したことにあります。 私達は「土地を高く売却してほしい」と言っているのではなく、財政改善という名目で土地売却に躍起になっている市側の観点に立っても、この売却処分は全く筋が通らないということを指摘しているのです。 「市民の誰も利益を得られず、損失だけを被る公共財産の処分があってはならない」と訴えます。私達の主張の本質は「市民のニーズに応えた市民本位のまちづくりをしてほしい」ということです。 どうか、今回の住民監査請求の真意をご理解ください。

沖縄戦最大の激戦地となり、その後は米軍に強制接収されるという、つらい歴史を長く歩んできたこの土地が、今度こそ市民全体に愛され親しまれる場所となってほしいと強く願います。

「おもろまち一丁目住環境を考える会」 知念徹治

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平成20年3月1日 琉球新報掲載

  地域再生計画取り消しを

 地域再生計画とは、地域の特性・資源を有効に活用した地域産業の振興、生活環境の改善、観光・交流の促進等の取組を推進することを目標として、地方公共団体が実施する政策をまとめた計画である。廃校校舎を学童クラブの運営に転用する計画や観光地の安全のため標識を整備する計画など全国各地で「地域が主役」のキャッチフレーズにふさわしい計画が発案され実施されている。

 那覇市は昨年、“周辺環境調和型「亜熱帯庭園都市」による地域活力の再生”という地域再生計画を申請したが、その中心事業が元市役所候補地の超高層マンション群建設事業である。従来,公共公益施設用地は他の目的に利用できなかったのだが地域再生計画に位置づけられた事業であれば処分できるとした平成18年5月の法改定をうけて、その翌月、市長は市役所建設を約束していた土地を売却すると表明した。しかし、その事業計画は静かで安全な環境を信じていた周辺住民の期待を裏切るだけでなく、その生活を脅かすものであった。市は住民の強い反対を受け、事業の変更を検討していたはずの昨年5月にその事業を「当市にふさわしい土地利用」と記載して計画書を提出していたのである。

 さらに市は、採用した事業提案が都市計画に違反するものであるという事実を地域再生計画書に記載せずに申請したにもかかわらず、それが認定されたことを理由として、事業提案に合わせるための都市計画変更の手続きを行った。この都市計画変更があたかも内閣総理大臣のお墨付きを得たかのような理由付けをして、当該土地の用途地域を第二種住居地域から近隣商業地域へ、容積率を200%から400%へ、周辺住民の圧倒的な反対を押し切って強行に変更したのである。事業提案募集時の最低売却価格は、用途地域変更前の不動産鑑定を基に設定されたため、結果的に市場価格を大幅に下回る不公正価格で市有地が売却されることとなり、市民に莫大な損害を与えることにもなった。市は「不動産鑑定に基づく正当な手続きである」と説明しているが、それなら第2種住居地域の条件で売却するのが当然である。あるいは周辺の住環境と景観を破壊してでも用途地域を変更して売却することが市の方針ならば、せめてその変更によって上乗せされた価値に相当する対価を事業者に要求し、その利益を市民全体に還元するべきである。

 市民のニーズを反映しない地域再生計画が不合理な都市計画変更に利用され、周辺の住環境を悪化させ、観光資源である景観を損ない、市民財産の損失にもつながることは、地域再生法の目的、基本理念に反するものである。私達は地域再生計画の認定取り消しを求め内閣総理大臣へ請願を行う。

 都市計画審議会で、ある委員が言った。「今回は事業計画が先行したため審議会の混乱を招いた。行政の進め方に問題があるので次回からはこのようなことが無いようにお願いしたい。」彼らにとっては何十、何百の議題の一つかもしれないが、私達にとってはかけがえのない人生の問題である。子供やその次の世代のためにも決して反省材料として片付けるわけにはいかない。

「おもろまち一丁目住環境を考える会」 知念徹治

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平成20年3月31日 沖縄タイムス掲載

  許せぬ市有地の安売り
   −住民監査請求棄却−

 理由も無く,怒りに震える者がいるだろうか.

 私達が確かな根拠を示して訴えた,元那覇市役所予定地の売却取り消しを求める住民監査請求は「理由が無い」という,それこそ理不尽な理由で棄却された.監査委員がその役割と責任を放棄して市の違法行為に加担したことは実に許しがたい.「理由が無い」のは,むしろ那覇市行政が強引に推し進める超高層マンション群建設事業であり,独自の検証を行わずに住民の請求を棄却した監査委員の判断である.

 そもそも那覇市は,おもろまちの元市役所建設予定地を売却する理由として「厳しい財政難」を強調してきたが,現在,市が進める市役所建替えには,仮庁舎の建設と取り壊し,2度の引越しといった効率の悪い出費が多いだけでなく,仮庁舎建設のための土地取得費用を加えると,おもろまちに建設するよりもさらに高額の費用を要するのである.

 また,市役所移転を断念した後,市民のニーズを把握しようとせずに,民間企業に事業提案を求めたことも,都市計画に違反する無秩序な事業を地域再生計画に採用し,それに合わせる目的で市民の圧倒的な反対を押し切って都市計画を書き換えたことも,理由が分からない.

 仮に,経済活性化のために周囲の住環境と景観を破壊してでも都市計画を変更して土地を売却することが得策だとする市の観点に立っても,都市計画手続きの後に具体的な事業を決定するという,あたりまえの手順を踏めば,土地の売却価格をさらに数十億円上乗せして財政を改善させることができたであろうに,その手順をわざわざひっくり返して破格値で安売りする方法を選んだことは不可解でならない.市長個人の土地であれば「お人よし」と呼ばれるだけであろうが,市民全体の財産であるから「失政」としか言いようが無い.

 「地域環境破壊計画」とも呼ぶべき今回の事業を中心に位置づけた地域再生計画は,那覇市によって違法,不当に申請されたものであり,それが不合理な都市計画変更と公共公益施設用地の不公正な売却に悪用され,市民に多大な損害を与えるものであるとして,私達は,その認定の取り消しを求める請願書を内閣総理大臣へ提出した. 

 そして,周辺の住環境を守り,市民全体の財産をとり戻すため,今度は司法の場で粘り強く市の不正行為を追及し,都市計画変更と売却処分を白紙に戻したい.そして市民全体の自由な意見交換の中で,本当の意味での「那覇市にふさわしい土地利用」が再検討され,皆に愛され親しまれる事業が実現されることを強く望む.

 超高層マンション群事業に対する質問が突然打ち切られ,残りわずかな時間で都市計画変更の説明が行われた昨年9月の住民説明会で,私は挙手をしても発言の機会を与えられなかったが,帰り際,幸運にも市長に直接,手紙を手渡すことができた.そのとき「必ず返事を書くよ」という言葉に安堵したが,まだ返事は届かない.私の肩を優しく叩いてくれた市長を相手に半年後,住民訴訟を起こすことになるとは思いもしなかった.

「おもろまち一丁目住環境を考える会」知念徹治

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平成20年4月19日 琉球新報掲載

  不当な手続きの真相究明を 
  −おもろまち市有地売却住民訴訟−

 おもろまち一丁目の元那覇市役所予定地における超高層マンション群建設計画に関して,私達は,近隣住民への重大な環境被害,沖縄観光に影響を与える景観悪化,公共公益施設用地の不適切な土地利用,違法な地域再生計画申請など,多くの問題点を指摘し,事業計画に反対してきた.そして住民監査請求では,土地売却価格が不公正であるとし,処分の取り消しを訴えたが,残念ながら那覇市監査委員は独自の検証を何一つ行わずに私達住民の請求を棄却してしまった.

 監査結果には「市議会議事録からは『市役所予定地域』と表明している記録は確認できない」という市当局の説明と,「本件公有地について市役所予定地域であるとの事実は無い」という監査委員の判断が記述されているが,市長をはじめ行政の幹部や担当部署の責任者,さらには監査委員の議員でさえ当該土地を「庁舎予定地」と称して発言していることは容易に議事録から検索できる.そのような証拠を突きつけるまでも無く,当該土地が市役所予定地であったことは,多くの市民の周知の事実である.

 本題の「土地売却価格が不公正である」という指摘に対しても,「不動産鑑定に基づく正当な価格」という市当局の主張を認めているが,それは全くの誤りである.なぜなら,当時の不動産鑑定を基準に売却価格を決定した後,市は用途地域を住宅地から商業地に強引に変更し,容積率も倍に引き上げたからである.業者の都合にあわせて,土地の価値を大幅に上昇させた後も,売却価格を見直すことはしなかったため,市民全体に莫大な損害を与えたのである.言い換えると,那覇市行政は近隣の住環境と沖縄の貴重な景観,そして推定約50億円もの市民の財産を犠牲にして,民間事業者(大和ハウス,オリックス不動産,大京)に対して,不当な便宜をはかったのである.財政難を理由に土地売却を決定したはずなのに,正当な対価を業者に求めようとしない行政の態度は不可解でならない.

 今回私達は「土地売却処分の不当性」について司法の判断を仰ぐべく住民訴訟を起こした.請求の趣旨は「那覇市長翁長雄志氏に対して,本件公有地売却処分によって那覇市に与えた損失,約50億円の賠償を求める」というものである.これは市役所予定地が超高層ビル群建設用地へと変わってしまった事件に関する,数ある問題点のうちの一つについて取り上げたものだが,その審議の過程において,これまで市行政が積み重ねてきた違法不当な手続きの真相が究明されることを期待したい.

 今回の訴訟は厳密に言うと,私達が直接,市長に損害賠償請求を行うのではなく,「損害を被った那覇市の市長である翁長雄志氏が,市に損害を与える不当な市有地売却処分を行った翁長雄志氏に対して損害賠償を請求せよ」という,すなわち,市長に「自分自身を訴えよ」という裁判を起こしたのである.まさにこれは,市長が高らかに掲げる「協働のまちづくり」が本当に実践されているのか,「絵に描いた餅」ならぬ「絵に描いたまち」になってはいないか,自身の良心に問いかける機会となるであろう.

「おもろまち一丁目住環境を考える会」知念徹治

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平成20年5月4日 沖縄タイムス掲載

  不可解な市有地売却
  −広報紙への反論−

 「なは市民の友」5月号で元市役所予定地の売却処分について,いかにも行政上の正当な手続きと,住民への適切な対応を行ったかのように見せかける,市の一方的な見解が掲載されています.それに対して実情を知る近隣住民の立場から反論します.

 市の説明会について,広報紙では十分な説明と意見交換を行い,住民の要望を受け事業提案の改善を行ったと記載していますが,実際はそうではありません.住民が当初の事業計画の問題点を指摘し,計画の見直しを求めたのに対し,市は建物の高さを30階建から34階建へと更に上乗せし,建築面積も増大させた上,分譲住宅の延床面積も戸数も増加させ,事業者の採算性をより高めた計画を「改善案」と称して住民へ受け入れを強要しました.不安を訴える周辺住民に対して,昨年7月,事業予定者が行った環境影響調査を市が検証することも無く「信頼できるデータ」として提示し,「周辺の環境に影響は無い」と説明しました.しかし近隣の圧迫感については「主観的なものだから評価できない」と客観的な評価を避け,交通量については平成15年のデータ等を用いたずさんなもので,現況を正確に把握して行った評価ではありません.また風害についてもコンピュータシミュレーションのみを行い,「全体的に低減する」という言葉でごまかし,局所的な強風被害について検証する風土実験の提案は拒否しています.また環境影響調査を行った時点の事業設計図の提示を私達が求めたのに対し,市は「事業者が設計図を未だ作成していない」と回答し土地売却時(今年2月)になっても設計図を提示しませんでした.このような説明会を重ね,住民は環境影響調査の結果に対して,そして設計図も出せないような事業を市の地域再生計画として認め,市有地を譲渡した市行政の姿勢に対しても,強い不信感を持つようになりました.

 首里城からの景観について,市は「おもろまちの事業計画は首里城正殿から約2.4キロメートルも離れており,景観上影響があるものではない」としていますが,首里城の展望台に立つとわかるように,その景観は首里地区だけで完成するものではありません.新都心地区や中心市街地そして東シナ海に浮かぶ慶良間諸島などの島々も含めて貴重な景観です.私達の要望は,首里城より高さを下げればよいとする市長の意向とは異なり,首里城からの素晴らしい景観に配慮をしてほしいというものです.

 土地の売却価格について市は「不動産鑑定を踏まえた最低価格を設定」と述べていますが,その不動産鑑定は,市が都市計画を強引に変更する前に,住居系用途地域の条件で行われたものです.市は,土地の用途地域を業者の都合にあわせて商業地に変更し,土地の価値を大幅に高めた一方で,売却価格については住宅地の時点での価格を据え置きにしたため,結果的に市場価格を大きく下回る価格での市有地売却となりました.

 那覇市行政は,近隣の住環境と沖縄の貴重な景観,そして約50億円もの市民の財産を犠牲にして,業者に対して不当な便宜をはかったのです.財政難を理由に土地売却を決定したはずなのに,正当な対価を業者に求めようとしない行政の態度は不可解でなりません.

「おもろまち一丁目住環境を考える会」知念徹治

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平成20年5月9日 琉球新報掲載

  一方的な市広報紙に反論

 私達はおもろまち元市役所予定地の売却処分に関して,那覇市に公開質問状を提出した.しかし,市が違法不当な行政手続きを積み重ね,住民に対して不誠実な対応を繰り返したことが分かるその質問状を広報紙に掲載することを市は拒んでいる.その一方で「なは市民の友」5月号では,その件について,いかにも行政上の正当な手続きと住民への適切な対応を行ったかのように見せかける,市の一方的な見解を掲載した.このような卑怯な態度は,これまで市行政と向き合ってきた私達にとって決して驚くことではないが,現場に立ち会うことができない多くの市民に誤った認識を与えようとする行為に対しては,実情を知る近隣住民の立場から正々堂々と反論しなければならない.

 市は住民の要望を受け事業提案の改善を行ったと広報紙に記載しているが,実際はそうではない.市は建物の高さを30階建から34階建へと更に上乗せし,建築面積も増大させた上,分譲住宅の戸数も延床面積も増加させ,事業者の採算性をより高めた計画を「改善案」と称して住民へ受け入れを強要した.また事業予定者が行った環境影響調査を市が検証することも無く「信頼できるデータ」として提示し「周辺の環境に影響は無い」と説明したが,近隣の圧迫感については「主観的なものだから評価できない」と客観的な評価を避け,交通量については平成15年のデータ等を用いたずさんな計算であった.そして環境影響調査を行った時点の事業設計図の提示を私達が求めたのに対し,市は「事業者が設計図を未だ作成していない」と回答したため,住民は環境影響調査の結果に対して,そして設計図も出せないような事業者に市有地を譲渡した市行政の姿勢に対しても,強い不信感を持つようになった.

 市は今回の都市計画変更手続きも正当化し,「事業計画に合わせた変更ではない」と述べてきたが,実際は企業が提案した“都市計画に違反する無秩序な事業”に合わせて都市計画を書き換えたのである.事業者募集に関する質疑回答書には「事業提案の実現のために用途地域の変更が必要となる場合には,国及び沖縄県の用途地域の指定・運用基準に基づいて変更原案を作成,関係機関との協議を行います」と記されている.また,昨年9月の市議会定例会において市の幹部が「建蔽率60%,容積率200%では,到底その中に収まらないような施設の提案もあるのではないかと想定している.そのような状況であれば別途の機関と相談しながら,用途の見直しも視野に入れて進めていきたい」と答弁している.

 市は,住宅地であった当該土地を業者の都合にあわせて商業地に変更し土地の価値を大幅に高めた一方で,売却価格については住宅地の時点での価格を据え置きにしたため,結果的に市場価格を大きく下回る価格での市有地売却となった.

 都市計画の原則を行政の権力で捻じ曲げて地域の環境を破壊する行為が,市有地の安売りにもつながり,市民の貴重な財産の損失という結果をもたらしたのである.

 私達は行政の横暴を絶対に許さない.

「おもろまち一丁目住環境を考える会」知念徹治

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平成20年5月20日 沖縄タイムス掲載

  破綻した地域再生計画
  −那覇市は説明責任果たせ−

 「那覇市が作成した地域再生計画はもう破綻している.そして,その原因は市行政にある.」おもろまち元市役所予定地の超高層マンション群事業説明会に市の担当者が参加しないことに対して,私たち近隣住民は強く抗議した.

 昨年4月から今年1月までの市主催の事業説明会では,那覇市の担当者は業者(大和ハウス工業,オリックス不動産,大京)が作成した事業計画や,業者が行った環境影響調査をまるで事業者のセールスマンのように説明し,住民に受け入れを強要してきた.私達は市に対し,周辺の住環境と沖縄の景観に配慮した事業計画の変更を求め,それを業者が受け入れるまで土地売買契約を行うべきではない」と主張した.その要求は完全に無視されたが,それでも市行政が私達に約束したことは「所有権が業者に移ったら設計の変更についても業者を含めて話し合うことができる.市は事業説明会に参加し,責任をもって住民と事業者の仲介役を果たす」ということであった.那覇市は市役所予定地であった“おもろまち1丁目1番地1”に,超高層マンション群を建設するために,都市計画までも捻じ曲げて地域再生計画を作成したのであるから,市が説明会に参加し,最後まで責任を果たすのは当然のことである.

 しかし所有権移転後,説明会のために業者は2度住民を集めたが,肝心な那覇市が住民との対話を拒否し,業者もそれを「仕方がない」として業者だけで事業説明を行おうとしたため,会は紛糾し結局いずれも事業説明は行われなかった.

 那覇市が住民との約束を破り,地域再生計画の作成主体,そしてこの事業の監督者としての責任を放棄してしまった時点で,この事業は「地域再生計画の事業」としての資格を失ったことになる.そうなった以上,この土地を民間業者が所有する法的根拠も全く無いのである.

 市行政がその責任を果たさない今,業者がやるべきことは,那覇市抜きの説明会を強行することでも,土地の仮囲い工事をすることでもなく,私達と共に,那覇市に説明会への参加を強く要求することである.そうでなければ,「那覇市行政がその責任を果たさないことにより事業を実施することができなくなった」として,那覇市との土地売買契約を解除する以外にない.

 私達は,那覇市行政が積み重ねた数々の不正な手続きをすべて白紙に戻し,この土地に本当にふさわしい事業を市民全体の自由な意見交換によって検討し直すべきと考えている.しかし,だからといって業者との対話を拒んでいるわけではない.むしろ那覇市も含めて,形式的ではなく実質的な対話を重ねることによってこの問題の解決策を探りたいと強く望んでいる.

 市民と真正面から向き合おうとせず,逃げ続ける那覇市行政は,市民の暮らし,子どもたちの未来を真剣に考えているのだろうか.美辞麗句を並べて「協働のまちづくり」を語る市長の演説にではなく,不安で眠れぬ夜を過ごす住民たちの「那覇市にだまされた」という悲痛な叫びの中にその答えはある.

「おもろまち一丁目住環境を考える会」知念徹治

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平成20年6月5日 琉球新報掲載

  那覇市は住民に向き合え 

 おもろまち超高層マンション群建設計画は那覇市が作成した地域再生計画の事業である.というよりも「市行政は市役所予定地であった公有地に超高層マンション群を建設するために,都市計画までも捻じ曲げて地域再生計画を作成した」という方が本質を表している.

 この事業計画が実行されると,民家の目の前の工事としてはこれまでに例がないほどの危険なものとなり,長年に及ぶ工事期間中,近隣住民は騒音と埃にまみれ心身共にむしばまれる生活を余議なくされる.そしてようやく工事が完了しても生涯苦痛から解放されることはなく,自宅のすぐ目の前に136mもの超高層ビルが立ちはだかり,耐え難い圧迫感,恐怖感を受けることになる.また交通渋滞やビル風,日照不足など住環境の悪化は必至で,とりわけ子供たちの安全の問題や彼らの精神,身体に及ぼす悪影響は深刻と考えている.

 生活に大きな影響がおよぶ近隣住民に全く情報を与えず,突然,都市計画違反の事業計画を突きつけ,その事業計画に合わせて都市計画を変更したことは,市民の生活を守るべき行政として明らかに間違った行為である.都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために都市計画を遵守するようにと住民や事業者を指導,規制してきた行政によって,そのまちづくりのルールがいとも簡単に破られてしまったことに強い憤りを感じる.

 私達はこれから自宅の目の前で行われようとしている「那覇市の地域再生計画の事業」について,しっかりと協議をしたいと思い,企業が主催する事業説明会に2度参加したが肝心な那覇市が住民との対話を拒否したため,会は紛糾し結局いずれも事業説明は行われなかった.

 私たちは那覇市行政が積み重ねた数々の不正な手続きをすべて白紙に戻し,この土地に本当にふさわしい事業を市民全体の自由な意見交換によって検討し直すことが最善策だと考えている.しかし,だからといって業者との対話を拒んでいるわけではない.むしろ那覇市も含めて形式的ではなく実質的な対話を重ね,何とかしてこの問題の解決策を探りたいと強く望んでいる.

 「市が事業説明会に参加し住民と業者の仲介役を果たす」という土地売却前の約束を守ってほしいという住民の訴えに市側の正式な回答はないが,新聞報道によると「係争中であること」を理由に市は住民との対話を拒否しているようである.「住民訴訟が起こったから地域再生計画を中止する」あるいは「裁判終了まで事業計画を凍結する」というのであれば理解できるのだが,係争中を理由に那覇市の地域再生計画の事業を本土大手民間企業のみで好き勝手に進めてよいという理屈は全く通らない.

 市長側から「おもろまちの問題が政争の具にされている」との声が聞こえてくる.しかしそれは問題解決のため最大限の努力をしているのに,反対勢力が話し合いのテーブルに着かず,問題を政治闘争に利用された場合に使う言葉である.自らの失政に対する批判に反論できずに議論から逃げまわっている政治家が使う言葉ではない.

「おもろまち一丁目住環境を考える会」知念徹治

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平成20年6月11日 沖縄タイムス掲載

市有地の売却は不当

−住民訴訟で真相究明期待−

おもろまち元市役所予定地の土地売却処分の不当性を訴えた住民訴訟の第一回法廷が開かれ,近隣住民が市長を提訴するに至った経緯を私は法廷で陳述した.

現那覇市長は選挙公約で那覇新都心地区への市役所建設を約束しておきながら,平成18年7月,先祖から受け継いだ大事な土地を公共のために仕方なく譲渡した地主や市役所建設を信じていた近隣住民との協議を行わず,一方的に市役所予定地を売却すると表明した.そして「本市にふさわしい」として市長が採用した事業は本土大手企業(大和ハウス,オリックス不動産,大京)が提案した無秩序な超高層マンション群建設計画であった.

生活に大きな影響がおよぶ近隣住民に全く情報を与えず,突然,都市計画違反の事業計画を突きつけ,その事業計画に合わせて都市計画を変更したことは,市民の生活を守るべき行政として明らかに間違った行為である.都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために都市計画を遵守するようにと住民や事業者を指導,規制してきた行政によってそのまちづくりのルールがいとも簡単に破られてしまったことに強い憤りを感じる.新都心の大型スーパーが周辺との調和に配慮して,シンボルである看板の色までも変更したことや日銀那覇支店が赤瓦屋根を載せて沖縄らしさを演出していることの重みを市は全く理解していないようである.

また,市は「おもろまちの事業は首里城から2キロ以上も離れており景観上問題ない」と説明しているが,新都心に突如出現する傍若無人な巨大物体が那覇市街と東シナ海,そしてそこに浮かぶ島々を見渡す絶景を台無しにしてしまうことは,「西のアザナ」に立つとすぐに実感できる.

そして私達は,那覇市が強引に推し進める,住環境と景観を破壊する「地域再生計画」が,那覇市民全体の貴重な財産の損失にもつながることに気づき住民監査請求を行った.市は本件土地が住宅地であった時点で行われた不動産鑑定を基に土地売却価格を決定したにも関わらず,その後,業者の都合にあわせて商業地に変更し,建ぺい率も容積率も引き上げ,土地の価値を大幅に高める手続きを行った.しかしその一方で売却価格については住宅地であった時点での価格を据え置きにしたため市場価格を大きく下回る価格で公有地を売却する結果となったのである.これが適正な価格であるはずがない.市長は不当な行政手続きによって那覇市に推定約48億円もの損失を与えたのであるから,当然那覇市に損害額を賠償する責任がある.

「都市計画に違反した事業計画の採用」,「認定基準を満たさない地域再生計画の作成」,「住民の要望を聞き入れない事業説明会」,「業者の都合に合わせた後付けの都市計画変更」など,これまで市行政が積み重ねてきた数々の違法不当な手続きはすべて,事業者に法外な安値で本件土地を売却することを意図して綿密に作り上げられたシナリオに沿って進められてきたのではないだろうか.今回の住民訴訟でその真相が究明されることを信じている.

               「おもろまち一丁目住環境を考える会」知念徹治

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平成20年6月20日 琉球新報掲載

民間供用の十分な説明を

那覇市議会6月定例会で新都心上之屋の中学校用地の取得が審議されている.この土地は那覇新都心開発整備事業において那覇市土地開発公社が公共公益施設用地として先行取得した土地であるが,市教育委員会が新都心地区に中学校建設の必要はないと判断し用途が定まらず,いわゆる塩漬け土地となっていた.市はこの土地を同公社から約58億円で取得し,暫定的に本庁舎建替えの間の仮庁舎建設用地として利用する予定であるが,土地の買収目的が「民間事業者へ有効利用させること」であることをどれだけの市民が知っているのだろうか.
市担当者は議会で「国の支援措置(地方債)を受ける条件が民間への土地利用となっている」と説明し,支援措置を受けるためには民間供用以外に方法が無いと受け取れる答弁を繰り返したが,この発言には疑問がある.総務省が発表した「土地開発公社経営健全化対策」によると,支援措置の条件には「民間への貸付による有効利用」以外に「公共用地先行取得等事業債の弾力運用」という項目があり,これを適用すれば公共用地として取得する場合にも起債対象となるはずである.実際,平成17年に作成された市の「土地開発公社の経営の健全化に関する計画」では,今回問題となっている中学校用地も含めて多くの塩漬け土地の処分方針は「当初用途で那覇市が再取得」と記載されており,民間供用が条件とはなっていない.
仮に行政が独自に「民間供用が最善策である」と判断したとしても,先行取得に応じた地主たちや地域住民はもちろん市民全体に十分説明し,議会で公共施設の建設を含めたあらゆる可能性を議論することが最低限必要ではないだろうか.5月30日,市は仮庁舎建設の説明会を開催したが,土地の取得目的が「民間へ土地利用させること」であることは一切説明しなかったとのことである.しかも現地の半径300メートルの範囲にのみ案内状を配布したため,子どもが現地付近を通学路として使用している家庭やこの問題に関心をもつ多くの市民には参加の機会を与えられなかった.
 塩漬け土地の解消が必要であることは十分理解しているし,民間へ土地利用させることが必ずしも不適切とは言えない.しかし,市民の大事な土地の利用方法を決定するときに市民の姿が見えないばかりか,行政の意向を押し通すために議員に正確な情報を与えず,十分な議論を尽くさない行政のやり方は極めて危険であることを強調したい.
私たちの目の前の元市役所予定地が超高層マンション群建設用地に変わってしまった問題も土地開発公社の経営健全化計画に基づく「民間への貸付を目的とした再取得」が発端となり,2年後には本土大手民間業者へ転売されたのである.今回の中学校用地も非公開の会議で都市計画違反の民間事業計画が決定され,あっという間にそれに合わせた地域再生計画の作成,都市計画変更という不当な手続がなされ,そして大手企業に法外な安値で売却されてしまうのではないかと危惧している.

「おもろまち一丁目住環境を考える会」

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平成20年7月18日 沖縄タイムス「論壇」掲載

公有地安売りは不可解―地域を苦しめる再生計画―

おもろまち元市役所予定地売却に関する住民訴訟において,私たちは那覇市行政が行った後付けの都市計画変更によって当該土地が法外な安値で売却されたことを指摘し,市に対して翁長雄志市長に損害賠償を請求するよう求めている.近隣の類似土地の取引事例を参考に那覇市の損害額はおよそ48億円と推定している.私たちが求めているのは近隣住民への損害賠償ではなく,貴重な財産を失った市民全体への損害賠償である.
 市行政はこの土地に予定されている超高層ビル群建設事業で大きな雇用創出と税収効果が見込まれることを強調し,実情を知らない市民に対して「近隣住民の身勝手な要求で雇用拡大や財政再建が進まない」という歪んだ認識を植え付けようとしているが,それは論点のすりかえである.
私達は雇用の創出や財政の立て直しに反対しているのではない.ただ,いかに経済効果が期待できようと,それが無謀な都市計画変更による住民生活の侵害や公有地の安売りを正当化する理由にはならないと主張し,事業内容や行政手続の問題点を解決するよう求めている.
医療に例えるなら,治療の副作用があまりにも強すぎるから,その苦痛を緩和してほしいとお願いしているのである.それに対して治療薬の変更や副作用を抑える薬の追加など,治療効果を保ちながら苦痛を軽減する方策について十分な検討もせずに「君は治療をやめろといっているのか」と逆ギレする医者はいるはずがない.
経済活性化と住環境の保全は二者択一ではない.その両立に全く配慮しなかった行政の失敗を,生活と市民全体の財産を守ろうとする住民に責任転嫁することは決して容認できない.
当初,市が説明していたコールセンターやIT企業の誘致など雇用創出について,事業者から具体的な説明はなく,市の経済効果の見通しは根拠のない皮算用かもしれない.
また財政難を強調するのであれば,市はなぜ土地の用途地域変更を売却価格に反映させなかったのであろうか.経済活性化のためには近隣の住環境と景観を破壊してでも都市計画を変更して土地を売却することが得策だと考えた市の観点に立っても,都市計画変更手続きの後に土地売却価格を決定するという当然の手順をわざわざひっくり返して,市民の貴重な財産である公有地を破格値で安売りする方法を選んだことは不可解でならない.
地域が主役と謳う地域再生計画が,地域を苦しめ市民に多大な損害を与えることの矛盾こそ私たちが住民訴訟を起こした動機である.

「おもろまち一丁目住環境を考える会」  知念徹治 
那覇市おもろまち1-5-5 電話 090-4980-1654 医師 36歳
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平成20年8月4日 琉球新報 掲載
おもろまち市有地売却訴訟の趣旨−市民外主役のまちづくりに

住民訴訟「おもろまち市有地売却処分に関する損害賠償請求」の第二回法廷が開かれました.私たちは市有地の売却価格が不公正であると主張し,翁長雄志市長への損害賠償請求を那覇市に求めています.

市長は都市計画違反の無秩序な民間事業を実現するために元市役所予定地の用途地域を第二種住居地域から近隣商業地域に変更し,建ぺい率も容積率も大幅に増加させ土地の商業的な価値を引き上げました.しかし売却価格は用途地域変更前の住宅地の時点での不動産鑑定にもとづく価格を据え置きにして大和ハウス,オリックス不動産,大京に土地売却を行ったのです.近隣の類似土地の取引事例を参考に那覇市の損害額は約48億円と推定しています.

今回の法廷では,私たちの訴えに対する市側の反対答弁,すなわち,土地売却価格が公正であるという市の主張の理由づけがなされるはずだったのですが,開廷後わずか数分で法廷は閉じられました.

市側が「まだ答弁書を作成できていない」というのが理由です.前回の法廷から1か月半,訴状提出からは3か月もの時間があったのに,「時間が足りなかった」という市側弁護士の発言には首をかしげたくなります.結局,今回の法廷は次回の裁判期日を9月16日,午前10時と決定するだけのものでした.

この住民訴訟に関して電話やインターネットを通じて批判を受けることが多くなっています.内容は「どうして近隣住民への損害賠償を那覇市の税金でまかなう必要があるのか」というものです.しかしその批判は誤解から生まれたものです.

私たちの請求は「那覇市長翁長雄志氏に対して,那覇市に与えた損失,約48億円の賠償を求める」というものです.私たちの訴えが認められると,賠償金は市民の税金からではなく翁長雄志氏個人が支払うことになります.そして,その賠償金を受け取るのは私たち近隣住民ではなく,那覇市すなわち市民全体となるのです.

市長は財政難を強調してこの土地の売却を強引に推し進めてきたのに,なぜ用途地域変更を売却価格に反映させなかったのでしょうか.経済活性化のためには近隣の住環境と景観を破壊してでも都市計画を変更して土地を売却することが得策だと考えた市の観点に立っても,用途地域変更手続きと土地売却価格決定の手順をわざわざひっくり返して,市民の貴重な財産である公有地を破格値で安売りする方法を選んだことは全く筋が通りません.

市行政と民間業者が一方的に推し進める事業が抱える問題はあまりに大きく,決して地域住民の生活が犠牲になるだけで解決されるものではありません.この事業が市民全体のニーズに応え,将来にわたって那覇市の発展に寄与する,地域再生計画の本来あるべき姿となるよう,今,みんなの議論の中で市民参加型まちづくりの方向性を定める必要があります.

この住民訴訟は,市民全体の財産を守り,まちづくりの主役を市民に取り戻すための裁判であると私は信じています.

「おもろまち一丁目住環境を考える会」  知念徹治 

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平成20年9月24日 沖縄タイムス 掲載

協議項目の制限は不当

おもろまち超高層マンション群建設計画に関して,翁長那覇市長は地域再生協議会を設置すると発表しました.ようやくこの事業に密接に関係する近隣住民が,市や事業者(大和ハウス,オリックス不動産,大京)と問題点を真剣に議論し解決する機会が得られたと受け止めています.

しかし協議項目に関する市長の発言には納得がいきません.私たちは市および事業者と,周辺住環境に配慮した事業計画への修正, 環境影響調査の検証,建築確認申請前の住民合意の確認などについて話し合う目的で協議会の設置を要求しました.その背景には業者が事業提案書に明記している「設計段階から地元住民と連携」することを怠った上,事業説明会では無責任で不誠実な対応に終始していること,また市が都市計画審議会や県知事の「近隣住民の要望を事業に反映させるよう努力すること」という意見を無視し,「所有権移転後も説明会に参加し事業計画の修正に関して業者と住民の仲介役を果たす」という住民との約束を破ったことなどがあります.それに対して市長が独断的に住民の要求する協議項目を排除し,議題を雇用や経済効果,完成後のまちづくりにすり替えることは住民への裏切り行為です.「協議会の運営に関し必要な事項は協議会が定める」と規定する地域再生法にも反することで,協議会への不当介入と言わざるを得ません.

事業計画について市長は「可能な限り変更改善を行った」と述べましたが,業者が独自に行った計画変更は建物の高さや建築面積,分譲住宅の戸数を当初案よりも増加させ,業者の採算性をさらに高めたもので,周辺住環境へ与える深刻な被害を緩和するものではありません.土地売却前,市の担当者は「事業予定者は土地の所有権を得て『事業者』にならなければ住民に責任をもって説明ができないし事業修正の話し合いもできない.所有権が移ってはじめて建物の配置や規模を含めた計画修正の協議ができる」と説明しましたが,所有権移転後は市も業者も手のひらを返し「計画変更はありえない」と言い張っています.私たちは協議会の中で,建築計画の修正の必要性を訴えます.

翁長市長は「地域の主張は一定のルールと受容限度がないと,公共の利益との合致は難しい」と話しましたが,都市計画やまちづくりのルール,住民との約束をことごとく破ってきたのは那覇市行政のほうです.

今回の協議会は「協働のまちづくり」の理念を実践するものであってほしいと願います.

おもろまち一丁目住環境を考える会 知念徹治   医師 37


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平成20年10月2日 琉球新報 掲載

疑問多い交通調査データ

おもろまち超高層マンション群建設計画に関する94日の説明会では,この開発が周辺道路に及ぼす影響について,新都心中環状線まで含めた交通調査の説明が行われました.  

業者側は交通渋滞の程度を表す指標として「交差点飽和度」という用語を用い「交差点飽和度が0.9以下なら渋滞なく通過が可能で,それより大きいと渋滞が起こる」と説明した上で,「開発後は現況より交通量は増加するが,新都心中環状線のすべての交差点において交通量ピーク時の交差点飽和度は0.9を下回る」という調査結果を示し「付近住民の交通に支障はない」と述べました.

しかしそのデータに住民は納得いきません.業者側が示した調査は現在の那覇新都心中環状線すべての交差点において平日も休日も渋滞の時間帯はないという結論を出しているからです.「現在すでに中環状線の渋滞を経験している」と私が述べたのに対し,業者側は「それは感覚的なものだ.私たちのデータにうそ偽りはない」と反論しました.

私は交通調査については全く素人ですが,業者が行った調査の方法に首をかしげたくなります.業者は交通量調査を平日,休日ともたった一日ずつしか行っておらず,しかも交通量のピークを午前8時に設定しています.中環状線は夕方に渋滞は発生しているはずなのに,業者側が勝手に午前8時を交通量のピークだと判断したことが「現状にそぐわない結果」が出た大きな要因ではないでしょうか.もう一つは計画地に出入りする自動車の方向と割合について平成153月のデータを用いているのもナンセンスです.実に5年以上前のデータで,この間に新都心のまちは県立美術館博物館がオープンし新都心牧志線も開通して交通状況は大きく変わっているのですから,そのデータに基づく調査結果が実情を反映しないのは当然です.

大和ハウス,オリックス不動産,大京からなる共同事業者が提案する無秩序な事業計画に合わせて,那覇市が都市計画を強引に変更したように,この環境影響調査もつじつま合わせの結果を無理やり導き出したのではないでしょうか.

 これまでの業者主催の説明会は毎回紛糾し,そこには業者の事業提案書に明記されている「設計段階からの地元住民との連携」はありません.

業者の傍若無人な態度は許せませんが,何よりこの混乱を招いた原因は「住民の要望を事業に反映させるよう,住民と業者の仲介役としての責任を果たす」と約束していた市行政が,説明会に参加せず協議会設置の要請にも応えないことにあるのです.

おもろまち一丁目住環境を考える会 知念徹治 医師 37


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