ニームの樹園 / ベトナム
ニームについて?
ニーム は、和名を印度栴檀(インドセンダン)といい、インドの乾燥地帯が原産地とされるセンダン科の落陽高木のことです。 ただ日本のセンダンは毒性が強く、ニームとは種類が違うもののようです。 (センダンは香木として有名なビャクダンの別名です)
ニームの木は、高さ15〜20メートル前後にも達する無毛の熱帯常緑樹です。マホガニーに似た芳香を出し、花は白色で蜜の香りがするそうです。
ニームの木は、乾燥に強く成長が早いため、砂漠緑化の植林として利用され始めているようです。
果実は下の写真の通り長円形の緑黄色で、形はオリーブの実に少し似ているかもしれません。種子は果肉に包まれて苦い味がします。
日本では最近、ニームの木を虫除けの観葉植物として購入する女性も増えています。
ニームの木の栽培を日本でも試みる人がいるようですが、寒さに弱いことや、日本の多湿な気候が影響するのか、なかなかうまくはいかないようです。
ニームの害虫忌避効果など
インドなどではニームの虫よけ効果はよく知られており、街路樹はもとより紙類や衣料、穀物などの保存にも利用されています。また、これまでの研究でニームエキスは約200種類もの害虫に効果が認められています。
近年は欧米でも注目を集め、国際有機農業運動連盟(IFOAH)、欧州共同機構有機認証団体(BCS)などもオーガニック資材として使用することを認めています。
ニームの薬効など
ニームは薬木として知られ、虫よけの資材としての利用だけではなく、鎮痛剤や整腸剤などにも使われ、さらに化粧品や茶葉、家畜の飼料としても利用されてきました。
ハーブとしてのニームは、その効能の多さから"ミラクルニーム"とも呼ばれています。
ニームの薬効は防虫資材としてだけではなく、解熱、鎮痛、美肌効果から皮膚病・糖尿病の予防、さらに抗がん効果などなど、中には少々どうかな? と思えるものもありますが、最近の研究では、ニームに約40種含まれるリモノイド化合物が、メラニンの抑制や抗腫瘍活性などに役立っているとして、日本の大学でも研究が進められています。

【 ニームの枝 】

【 ニームの葉 】

【 ニームの果実 】

【 ニームの種子 】
なぜ害虫忌避や摂食阻害効果があるのでしょう?
ニームになぜ虫よけ効果があるのかといえば、ニームの主成分である「アザディラクチン」という成分が作用し、害虫忌避や摂食阻害、害虫卵の孵化を抑制します。また「サラニン」にも同様の効果があるとされています。
害虫卵の孵化を抑制というのは、本当?
アザジラクチンの化学構造が「エクダイソン」という昆虫の脱皮や変態を促進する全胸腺ホルモンに似ているため、エクダイソンの脱皮などの働きを阻止する作用があり、孵化抑止効果があると考えられています。
害虫が摂食阻害になる理由は?
アザディラクチン、メリアントリオール、サラニンなどが摂食抑制物質として働きます。
どうして土壌病原菌の抑制ができるの?
ニームに含まれるニンビン、ニンビディンには抗ウィルス作用、ゲズニンなどには抗菌活性があります。またアザディラクチンなどにより土壌の放線菌(ストレプトマイシンなどの抗生物質で知られる)が活性化されます。
放線菌は、それ自体に抗菌作用があるだけでなく、放線菌の中にはキチン質を好むものがあり、キチン質を加水分解するキチナーゼという酵素を生産する菌がいます。
フザリウム菌(糸状菌)やピシウム菌などの土壌病原菌の細胞壁はキチン質でできており、放線菌のキチナーゼが植物病原菌に対して溶菌作用を起こし、病原菌が抑制されます。
