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介護療養型医療施設の存続を求める会活動の趣旨
 
 平成18年の医療制度改革で、介護保険中の療養病床である介護療養型医療施設は平成23年度末をもって廃止されることとされました。厚生労働省は、平成20年、介護療養型医療施設の主な転換先として、介護療養型老人保健施設制度を創設しました。しかし、このいわゆる「受け皿施設」では、医師をはじめ看護・介護・リハビリテーション各職の人員を大幅に削減せざるを得ず、とても患者さんに責任をもった診療を行うことはできません。結果として、全国に行き場所を失う医療・介護難民が膨大な数発生し、現場は姥捨て山と化します。

 そもそも、現実に需要があり患者が13万人もいる医療施設を全廃するとしたこと、しかも、その後の受け皿の内容を決めることなく廃止を決定したことは異常であり、いかに財政主導、現場無視の施策であるかを如実に示しています。この点については、法案取りまとめの段階から既に与党内でも強い懸念の声が上がり、そのためあえて附則が付され、厚生労働省は医療・介護難民を出さない旨を与党に言明し、成案となった経緯があります。けれども今般の「受け皿」施設の内容では、患者の難民化は必至であり、その約束が果たされているとは決していえません。

 それだけでなく、国会議員や審議会の委員、あるいはマスコミなどに発表する情報を厚生労働省は意図的に操作し、恣意的に流用するということを行ないました。介護療養型医療施設廃止は、それらのまことにいい加減な資料・情報に基づいて、しかもきわめて拙速に議論・審議され法律となってしまいました。その結果多くの関係者がその本当の実態や詳細についていまだ理解できていないのが実情なのです。この点、後期高齢者医療制度と類似しています。実際にこの施策が現実のものになったとき、患者・国民ははじめて高齢者差別・切捨ての実態を知り、後期高齢者医療制度以上の大きな混乱と批判が生じるでしょう。

 介護療養型医療施設のあり方に関する議論は、医療を必要とし、かつ、重度の障がいがある高齢者の、生き方・死に方、生き場所・死に場所のあり方という、きわめて厳しい現実の問題を含んでいます。安直な財政優先論や、明らかにそれに利用された、まだまだ未整備である在宅医療がすべてを解決するかのような理想論で割り切るのはあまりに軽率です。私たちは、現場で患者の傍らに立つ専門職としてその責任を全うする義務があります。私たちは介護療養型医療施設全廃、安易な受け皿施設の設置に反対し、この政策の凍結・中止を求めています。そして、施設のあり方を改変するには上述のような国民不在の官僚の独断ではなく、国民が納得できる高齢者の医療施設とはどのようなものか、国民に問い国民的な議論を起こし、国民の選択に従うべきである。そう断固として主張します。



since June 4, 2008
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