血液循環療法について

押圧の実際

血液循環療法は、器具などを使用せずに、手の指だけを使って患部および全身の血液の循環を良くする治療法です。

血液循環療法の歴史は意外と古く、指圧が一般に知られるよりもずっと前の明治43年に小山善太郎先生によって考案され、大正時代から昭和初期にかけて広く普及していました。

同じような手技療法であるマッサージや指圧とは、以下の点で違いが見られます。


 

1)マッサージとの違い

マッサージは、静脈血やリンパ液の流れを良くするために、末梢(手足の先)から心臓に向かって、主に撫でさする手技を使います。静脈やリンパ液は皮下の浅いところを心臓に向かって流れているのでこのような方法がとられるのです。

これに対して血液循環療法は、動脈血の流れを良くするために、心臓から末梢に向かって血管に指で圧をかけていく(押圧)手技を用います。動脈は心臓から押し出された血圧がかかっていて、しかも体の深部(筋肉の下)を走っているため、体の表面からゆっくりと指を入れていくように圧をかけていきパッと離す方法をとるのです。パッと離すときに血液の流れが促進されます。

 

2)指圧との違い

指圧法は、患部(悪いところ)を直接押すのではなく、その疾患や症状に効果があるといわれるツボ(経穴)を押すツボ刺激療法です。

一方、血液循環療法は患部を直接押圧して循環障害を解消させます。患部は多くの場合シコリとなって血液の流れが滞っているので、血流を改善することによって症状の緩和、機能の回復が得られるのです。

また、指圧法では、ゆっくり押して一定の圧をしばらく加えてからゆっくり離すという方法が基本です。

それに対して、血液循環療法では、患部の血液の循環を良くするために、ゆっくりと指で圧をかけていき、適度の圧をジワーっとかけたら、次の瞬間にできるだけ速くパッと離して圧を解放させるやり方を繰り返します。この方法で動脈血や患部の毛細血管をゆっくりと圧迫し次にパッと圧を解放すると、その反動で、一時的に途絶えた血流が勢いよく流れ、患部の悪い血液が押し出されて新鮮な血液が供給されるのです。

 

血液循環療法の原理

1)血管に対する作用

血管の押圧

血管を直接押圧することにより、血流は静止に近い状態になる。

血管の押圧

圧力の開放と血流の促進

静止状態から瞬間的に圧力を開放すると、通常よりも高い圧力で血液が流れる。

圧力の開放と血流の促進

 

2)毛細血管に対する作用

毛細血管の局所的貧血

毛細血管を押圧することにより、血液が周囲に押し出される。

毛細血管の局所的貧血

局所的充血

周囲に押し出された血液が圧力の解放により集まってくる。

局所的充血


大杉幸毅著「血液循環健康法」(たにぐち書店)
<出典:大杉幸毅著「血液循環健康法」(たにぐち書店)>


 

 

脊髄活性法

<田坂論文(低周波医学1:5〜11,1957)の要約>

 

低周波電流発生装置の電極を項部及び仙骨部に接着して3〜6mA、150〜500c/sの通電を数例の脳卒中後片麻痺の患者に行ったところ、従来の局部通電法では到底期待できない程の効果を認めた。引き続いてこの通電法を種々の中枢神経麻痺に用いた結果、従来の諸種治療法よりも優れていた。また、本通電の作用機序は従来の局部通電法のそれと種々の観点から考えて全く異なるものと思われたので、低周波脊髄通電法と命名して諸種中枢性神経麻痺、特に脳卒中後片麻痺の新しい電気治療法として提案した。

 

低周波脊髄通電の臨床成績

  • 運動麻痺に対する効果(184例)
    上肢:著効18%、有効56%、無効26%
    手指:著効14%、有効61%、無効25%
    下肢:著効22%、有効65%、無効13%
  • 知覚障害に対する効果
    表在性知覚麻痺・鈍麻(89例):著効61%(うち全治14%)
    深部知覚(33例):全治15%、無効57%
  • 言語障害に対する効果
    言語不明瞭(74例):有効43%
    その他:吃音の53%、高音不能又は音量不足の50%、言語易疲労性の50%に効果が認められた。
  • 通電効果の持続性並びに現れ方
    1回の通電効果は、症例によっても異るが、通常1〜5日間(平均2〜3日間)持続する。
    また、通電の反復によっても漸次延長する傾向があるが、大別すると3つに分けることができる。
    すなわち、
    1. 初めの1〜4回の通電のうちに症状が著明に改善するもの
    2. 初めのうちは通電効果がほとんど見られないが5〜10回目頃から効果が漸次蓄積していくもの
    3. 毎通電直後にのみ数時間ないし数十時間効果が見られ、効果のほとんど蓄積しないもの

とに分けられ、したがって通電効果不明の場合でも少なくとも10回位は試みるべきである。
なお、20回以上反復通電しても副作用は見られず、諸症状が徐々に改善されていくことも少なくない。

 

脊髄活性法の詳細は下記へ

http://www.seishun-university.edu./course/index.html